2010年4月14日水曜日

殉教




日本における殉教のあり方は
世界のどこにもない特殊なものである
ローマ時代 キリスト教徒が迫害された時代は別として
わずか二十数年という短期間に
確実に四千人を超える大量の殉教者が出たことは稀である
特に日本における殉教は
いかなる勧誘にも拷問にも屈せず行なわれた点で
特筆すべきものだと考えられる


江戸時代のキリシタンになった武士たちにとって
清く死ぬ殉教の精神は
武士一般のメンタリティの延長戦上にあったのではないか
武士道と信仰は なにかの為に死ぬことに
価値を見いだす点で似ている

受け入れ素地としての武士的エートスの存在と
キリスト教教義の魅力
生命を賭けて伝道する打算のない宣教師たちの姿が
当時の日本人を深い信仰に導き
自発的な殉教を選ばせるまでに深化させた

























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