強いものは最後まで生き残れない
他人と共生 協力できる者こそ生き残る
近代ゲーム理論の大きな成果であるナッシュ均衡と
ジョン メイナード スミスらの進化的安定戦略
従来理論によれば 人間の利他的な協力行動は
いくつかの場面で生存に少し有効に働くもの
というレベルで理解されてきた
大部分は利他的に自己の取り分の最大化を図る
個体のゲームとして説明されてきた
しかし人類文明は
大々的な協力行動の成果であるように思われる
現代のゲーム理論には何らかの欠陥があるのではないか
ゲーム理論の最大の落とし穴は
何よりもその目的がプレイヤーの最大の利益を
求めることに尽きる
人間が社会をつくったそもそもの動機は
「存続の為の協力」だったが
そんなことはすっかり忘れてしまったようだ
人間社会は環境の不確定性に備える為の「協力」から始まった
それが民主主義のスタートラインのはずだった
ところが その民主主義との両輪であるはずの
自由主義が高度に発達するにつれて様相が変わってきた
「個人の利益を最大限に追求する」ために
経済活動においてはゲーム理論の「ナッシュ解」が
成立してしまっているのである
社会規範こそ人間にとってのゲームのルールであり
もはやむき出しの強さ=現実の強さではない
弱肉強食のような戦国時代だって
天皇を担いだり 忠義を大切にしたり敵に塩を送ったりと
不合理なことをやってきたのが人間の歴史だった
「強い者は生き残れない 環境から考える新しい進化論」吉村仁
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