自然の中に何らかの変化を引き起こすのに
必要な作用の量は可能な限り小さい
自然現象には無駄がない
最も単純な道を通って効果を生む
たとえば光は屈折させても点ABCの間の
最短距離を進んでいくように見える
光は無駄な経路を避けて作用量を最小に
節約しようと心がけている
世界は合理的に作られている
われわれが生きているこの世界は
ありえたかもしれない世界の中で
最も好ましい世界 最善世界である
後に
最小作用の原理は数学的にも物理学的にも
誤っていることが発見される
実現可能な一経路は
最小でもなく最大でもなく
アップダウンのある山登りの途中の峠の様な
停車ポイントに落ち着くと考えられる
特定の理論を絶対視せず
科学が進歩してそれが使えなくなったら
新しい理論に乗りかえるように
よりよいモラルが見つかるまでの間
いわば「当面のモラル」でやっていくのだ
言い換えると 科学だけではなくモラルにおいても
わたしたちはすべてを包含する決定的な真理には
達していない
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