2010年3月28日日曜日

教養としての官能小説




人間の性欲は それほど動物的にできていない
「女性器に男性器を挿入した」という文章を読んでも
現代人はもはや刺激を受けないのだ
官能小説家たちはわれわれの
贅沢で多様な欲望に答える為に
ストーリー設定や主要キャラクターの造形
あるいは性交・性器描写の技法
さらにはタイトル付けなど
あらゆる側面でその表現を深化させてきた


官能小説の分野では若手といっても
ごく少数の例外を除いては
一般の小説の新人のように若年齢ということはない
それだけ官能を書くには
特別の筆力を培う修練が必要だともいえる


実は官能小説っていうものは
大変に高度な専門技術を必要とするものかもしれない
男や女をその気にさせる文章というのは
習う学校がないし教科書もない
原稿料が安い業界の為多作でないと
専業作家としては生きていけない
性への飽くなき追求のバイタリティも求められる
並の作家では続かない

























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