2010年3月24日水曜日

詩の好きな人もいる




そういう人もいる

つまり、みんなではない

みんなの中の大多数ではなく

むしろ少数派

むりやりそれを押しつける学校や

それを書くご当人は勘定に入れなければ

そういう人はたぶん、千人に二人くらい

. . . . <中略>


詩が好きといっても

詩とはいったいなんだろう

その問いに対して出されてきた答えは

もう一つや二つではない

でも私はわからないし

わからないということにつかまっている

わからないということが命綱であるかのように





ノーベル文学賞を受賞した
ポーランドの詩人ヴィスワヴァ・シンボルスカの
講演でのスピーチ

「インスピレーションの訪れを感じられる
ある種の人たち」について語っている
それは「意識的に自分の仕事を選びとり
愛と想像力をもってその仕事を遂行する人」のこと
彼らにとって 不断の驚きや発見やインスピレーションは
「私は知らない」から生まれてくるのだと話す

不断の「わからない」「私は知らない」こそ
インスピレーションの源であり
同時に世界を良くする方法論なのだという
インスピレーションを迎えるには
固定観念を捨てて 一度頭を空っぽにすること
素直な受け入れ態勢をもつことが重要ということだ

「そしてどんな知識も
自分の中から新たな疑問を生み出さなければ
すぐに死んだものになり
生命を保つのに好都合な温度を失ってしまう
最近のそして現代の歴史を見ればわかるように
極端な場合にはそういった知識は
社会にとって致命的に危険なものになり得る」

「この果てしない劇場について
私たちは何を言えるのでしょうか
この劇場への入場券を私たちは
たしかに持っているのですが
その有効期限は滑稽なほど短く
二つの厳然たる日付に挟まれています
しかし一つ言えるのは
この世界は驚くべきものだということです」



























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