2010年3月3日水曜日

知性について





ショーペンハウエルによれば
知性とは普遍的な事柄の認識能力である
知識欲が普遍へ向かうと学究心と呼ばれ
個別へ向かえば好奇心になる
個別への関心は動物でもあるが
普遍をとらえるのは人間だけである
だからその普遍度が哲学や芸術のように
高ければ高いほど知的レベルが高い とする
逆に知性が欲望を満たすことや
実践的な物事の処理に奉仕するのは
低レベルな知性なのだという


そして世の中を大多数の凡人と
一握りの天才とに分ける


大多数の人間はその本性上
飲食と性交以外の何事にも真剣になれない
という性質を持っている
この連中は希有の崇高な資質の持ち主が
宗教や学問や芸術の形で世の中に
もたらしてきたすべてのものを
たいていは自分の仮面として用いて
ただちに彼らの低級な目的の為の道具として
利用することとなる


独創的で非凡な
場合によって不朽であるような思想を抱く為には
しばらくの間 世間と事物とに対して全然没交渉になり
その結果 ごくありふれた物事や出来事さえも
まったく新しい未知の姿で現れてくるというようにすれば
それで足りるのである
というのは まさにこのことによって
それらの物事の真の本質が開示されるからである
しかしながら ここで求められる条件は
困難であるどころか 決してわれわれの自由にならないものであり
他でもなく 天才のはたらきなのである




























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