2009年12月23日水曜日

中空構造




日本人はひとつの原理に
統合される事を嫌う
天皇は第一人者だが権力者ではないと
いうように敢えて「無為の中心」としておく
そしてその周囲の対立者たちもまた
完全な善や悪という立場をとらず
一方が他方をやりこめると
次は必ずゆりもどしが来るという風に
巧妙に中空構造を保つように
均衡を維持してきた


中空が空であるという事は
善悪 正邪の判断を相対化する

統合を行なう為には
統合に必要な原理や力を必要とし
絶対化された中心は
相容れぬものを周辺部に
追いやってしまうのである

空を中心とする時
統合するものを決定すべき
決定的な戦いを避けることができる
それは対立するものの共存を
許すモデルである


わが国が常に外来文化を取り入れ
時にはそれを中心においたかのごとく
思わせながら
時が移るにつれそれは日本化され
中央から離れていく
しかもそれは消え去るのではなく
他の多くのものと適切にバランスを取りながら
中心の空性を浮かび上がらせる為に
存在している























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