2009年10月21日水曜日

デンデラ





登場人物50人のうち
75歳以上の後期高齢者が30人以上を占める
前代未聞の超高齢化小説

デンデラは男は助けないから
女ばかりの集団でもある
老女だけで慢性的な食料不足を生き抜くためには
組織的に働かねばならない
自分たちを捨てた村社会を否定するつもりが
老婆たちもまた
生きるために
もう一つの村を作らざるを得ないという矛盾
権力が生まれれば
そこには派閥や陰謀が渦巻くし
憎しみも生まれる
デンデラは決してこの世の果ての
ユートピアではなかった

デンデラはこの世の縮図である
たまたま生き残ってしまった老婆たちと
たまたま生きている我々は同じだ
そして 生き方と死に方を
自分で決めることができる人は稀である
そういう人たちのドラマこそが
歴史を紡いでいく訳だが
幸福で満足した人生と
それとはまた別物なのである























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