2010年9月3日金曜日

みずうみ











銀平が後をつけているあいだ

宮子はおびえていたにちがいないが

自身ではそうと気がつかなくても

うずくようなよろこびがあったのかもしれない

能動者があって受動者がない快楽は人間にあるだろうか

美しい女は町に多く歩いているのに

銀平が特に宮子をえらんで後をつけたのは

麻薬の中毒者が同病者を見つけたようなものだろうか




川端康成の
いやらし小説
”嫌みな感じ””好色な感じ”
日本語にはいやらしいに
二つの意味があるが
どちらの意味でも
いやらしい小説


























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