2010年2月23日火曜日




世界的に見ても「ん」で始まる言葉は
ほとんどない
「ん」はちょっと特別な音

日本語には上代
「んという文字はなかった
上代の日本人も 現代の日本人と同じように
考え事をしながら「んー」と唸っていたのかもしれないが
それを書く事はできなかった
書けないから無理をしてでも書かなければならない時は
「イ」とか「ニ」という現代のカタカナを記号として
使っていた
でも「イ」を使うと「i」 「ニ」と書けば「ni」と
発音することになってしまう
「i」や「ni」と間違って読まれない為の記号は
何かないか... という試行錯誤の結果「ん(ン)」という
文字が生まれてきた」



古事記をはじめ上代の文章には「ん」と
読む仮名が一度も出てこないものらしい

ありなむ→ありなん
知りなむ→知んなむ

のように 口語として使われたのが
最初であるようだ
次第に大衆に普及して「ん」は平安時代に
表記の必要性が感じられるようになり
音を表すための文字として成立した


「ん」と仏教の関係は
阿吽の呼吸という言葉があるが
真言宗は「阿」から始まる「阿字観」という妄想に始まり
「吽」で終わる「吽字観」という妄想で終わる
これは宇宙の始まりの胎蔵界と
宇宙の収縮の金剛界を意味していて
一つの宇宙観である
日本語の五十音が「ア」に始まり「ン」で終わるのは
この仏教の宇宙観を反映しているという
「ン」が最後の文字であるという事には
意味があったのだ
























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