2009年8月23日日曜日

写真論





写真撮影は経験の証明の道ではあるが
また経験を否定する道でもある
写真になるものを探して経験を縮めたり
経験を映像や記念品に置き換えてしまうからである
旅行は写真を蓄積するための戦略となる
写真を撮るだけでも心が慰み
旅行のためにとにかく心細くなりがちな気持ちを
和らげてくれる
観光客は自分と自分が出会う珍しい物との間に
カメラをおき どう反応してよいかわからず
彼らは写真を撮る
おかげで経験に格好がつく

カメラを持ち歩く旅は
何かを獲得しようとしていながら
何かを失っている
カメラは構えずに
肉眼で見て現実を経験する方が
ずっと獲得できるものが豊かなのかも
しれないのに


写真による獲得とは
1写真の中の大事なひとやものを代用所有する
2出来事に対して消費者の関係をもつ
3経験から切り離して 情報として獲得する


世界を飾る努力と
その仮面を剥ぎ取る反対の努力との間に
違いはないところが写真芸術であり
絵画芸術と写真芸術との違いである
良い絵と悪い絵
良い写真と悪い写真を
区別する基準は根本的に異なっている























2 件のコメント:

Unknown さんのコメント...

シャッターチャンスにこだわって
ファインダーや液晶画面に見入っていると
本当なら観えるはずの大切なものを
みのがしてしまいそう


けっきょくは 記録より記憶!


♪写真〜には〜写らない〜
 美しさ〜があ〜る〜か〜ら〜

strvy さんのコメント...

同じようなとこで

音楽めちゃ好きですけど

僕は外では音楽聞きません

iphone意味なし