2009年7月23日木曜日

超ガラパゴス戦略






NYタイムスまで日本の携帯電話を
「ガラパゴス」と呼ぶようになった

だが 日本のケータイの技術は
今でも世界一だ
資金も人材も十分
欠けているのは それを世界に売り込む戦略を
決断する経営者だけだ

逆にいうと 経営者を入れ替えて戦略を立て直せば
ガラパゴスと馬鹿にされている技術を
世界に売り込むこともできるはず
日本の製造業が要素技術ではすぐれていながら
収益が上がらない原因は
モジュール化によって「すり合わせ」の優位性が
生かせなくなったからだ
というのはおなじみの議論だ

問題は どうすれば突破できるのかという事だが
そこに意味的価値という概念がでてくる
iPhoneは物理的な要素技術では
日本の携帯に劣るが
おしゃれなデザインやソフトウェアとの連携
AppStoreによってユーザーがアプリを開発できるしくみなどの
コンセプトがすぐれている
こうした「意味」は要素技術に分解できず
コンセンサスで作り出すこともできない

イノベーションを「産学連携」や「埋もれた知的財産の発掘」
によって生み出そうという霞ヶ関のアプローチは
日の丸検索エンジンやスパコンの戦艦大和のような
「奇形的進化」を生み出すだけだ
最近の認知科学が発見したように
最初にフレーム(意味)があって行動が決まるのであって
その逆ではない
そして多くのフレームの相互作用の中から
意味が生成する言語ゲームは進化的なので
何が生まれるか予想できない
必要なのは「国営マンガ喫茶」ではなく
新しい企業や新しい経営者によって
なるべく多くの突然変異を生み出す制度設計だろう










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