2009年3月22日日曜日

なぜキツネに騙されなくなったのか




人間を介して情報が伝えられている間は
情報の伝達には時間が必要だった
大事な情報は急いで
伝えられただろうが
さほど急がなくてもよい日常世界の情報は
何かの折に伝えられる

ところが
その情報は重要ではないのかいえば
村ではそうでもない
なぜなら
それらを通して村人どうしの意思疎通がはかられ
ときにはそれが村人の合意形成に
役割を果たしていくからである

もうひとつ
人から人に伝えられていく情報には
次のような面もあった
人から人に伝達される以上
そこには脚色が伴われる
その過程で話が大きくなっていく事も
一部分が強調されることもある

だから聞き手は話を聞きながらも
その話の中にある事実らしい部分を
自分で探り当てながら聞いていく
すなわち
聞き手が読み取るという行為が
伴われてこそ情報だったのである

主観と客観の間で
情報が伝えられる以上
それは当然のことである


近年のコミュニケーションでは
・何かの折に伝えられる情報が
   重要な共同体
・伝達過程で脚色が加えられ
   話が大きくなっていくコミュニケーション
が失われている事で
キツネに騙されるという話が
なくなったと思われる





















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